Top > 本文

  >> ダイジェスト

1 色々な金銭問題

心配ごと、悩みごと、もめごとにはお金の問題がつきものです。では、これらの金銭問題に対して弁護士はどのように役立つのか。「人生いろいろ」「心配、もめ事もいろいろ」なので、この問に対する回答を一口で述べることはできませんが、少し具体的に考えてみます。

(ケース1)
金融機関から土地を担保に多額の借り入れをしてビルやマンションを建て、賃料収入で借入金の返済を開始したが、見通しが狂い、賃料収入が落ち込んだため、予定通りの返済が出来なくなった。
このままだと、土地とビル(マンション)を一括して売却する羽目になってしまう。もともとあった土地まで失い、それでもまだ借金が残ってしまう。

(ケース2)
不動産担保で多額の借り入れをし、あちこちに積極的な投資を行ったが、ことごとく失敗。借入返済が出来なくなった。

(ケース3)
会社を経営しているが、売上げ・利益が減少の一途で、運転資金や設備資金として銀行から借り入れた借金の返済が出来なくなった。

(ケース4)
勤めていた会社が倒産して失業したため、あるいは無計画で刹那的なお金の使い方をしてきたため家計が回らなくなり住宅ローンが払えなくなった。

2 弁護士に相談する問題なのか

これらの例に関わらず、仕事、生活、財産運用において約束通りの支払いが不可能になるケースは色々あります。ところでそのような場合、弁護士に相談してみようという発想は浮かぶでしょうか。

実はそのような場合に弁護士に相談が来る例は大変少ないのです。支払いが出来なくなり内容証明が来たり、差し押さえや裁判が起こされてから弁護士のところに飛んでくる方はよくあります。しかし、その前の時点、すなわち約束通りの支払いが出来なくなりそうな事態に至った時、あるいは、約束通りの支払いが滞り始めた時点で、弁護士に相談してみようと思い立つ方は本当に少ないのです。その結果、対処が後手にまわったり、打つ手がなくなってしまうこともあります。

3 どんな方法があるのか・弁護士はこんな時に役に立つのか

もっとも、支払いの行きづまり問題の対処方法に妙案が見つからない場合もあり、むしろ、その方が多いかもしれません。しかし、約束通りの支払いが出来なくなったら、持っている財産を売り尽くし、子供達の預貯金まで解約して支払いに努め、それでも足らなくて親戚友人知人を駆け回り見境の無い借金をしてまで返済に努めるべきなのでしょうか。

そのような方向に走り出す前に、ちょっとまって下さい。支払いに行きづまった時、まず第一に考えて頂きたいのは、これ以上の無理な支払いを続けないことです。支払いの行きづまりと共に人生が終わる訳ではありません。これからも仕事をし、生活をしていかなければなりません。そのためには事態をこれ以上悪くしないことです。そうでないと再スタートがいっそう難しくなってしまいます。

ご相談があれば、弁護士は、支払いに行きづまるまでの経緯、原因、出来事や、この間の関係者とのやりとり交渉などを踏まえ、関係する法律や結ばれた契約書を手がかりに、依頼者にとって最適な方向性を検討し、その実現に必要な交渉方法を考えて助言や支援をします。

支払期間を延ばしてもらったり、支払い方法を当面は負担軽減の方向で組み直してもらう、あるいは担保物件を処分し残債の返済はその後の人生再スタートの負担にならないような組み立てにするなど、弁護士にはこのような方策を考えたり実現に必要な交渉をする技能もあります。

ですから、会社経営、財産運用、生活などの面で支払いに行きづまっても、すぐに諦めないで、どうぞ、弁護士に相談してみて下さい。